和氣 弘明

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氏名Name

和氣 弘明

所属・職名Affiliation, Title, etc.

名古屋大学 大学院医学系研究科分子細胞学・教授

研究室HPWebsite

一言メッセージShort Message

神経生理学的な観点から認知症に迫りたいと思います

本プロジェクトでの研究概要Outline of the research in this project

アルツハイマー型認知症などの認知症では脳内の免疫炎症が起こり、免疫細胞であるミクログリアの生理的多様性が損なわれ、疾患に関連したサブタイプへと移行することで、病態に対する応答が起こる。そこで、これらのミクログリアの多様性を明らかにし、疾患サブタイプへと移行していく過程、さらにその際に喪失する生理機能と病態に対する応答を明らかにすることで、ミクログリアの疾患への寄与を統合的に明らかにしていく。また有機合成の技術を用いてミクログリア特異的に薬物を送達する技術を用いて、ミクログリアを生体でPETやMRIを用いて評価し病態のバイオマーカーとして用いるとともに、これを標的にする新たな治療戦略を創出する。

これまで主な研究内容Outline of main research so far

グリア細胞の中でも脳の免疫細胞であるミクログリアおよびオリゴデンドロサイトに着目し、神経回路活動制御という課題にミエリン塩基性タンパク質の局所翻訳を可視化することで、それが神経活動依存性に起こることを明らかにしました(Wake et al., 2011, Wake et al., 2015)。さらに、神経活動依存性の髄鞘化が損なわれることで生じる神経回路および学習異常やその脂質変化という研究につなげました(Kato et al., 2020,2023)。引き続きミクログリアの生理機能の解明を行い、発達期のシナプス形成に寄与すること(Miyamoto et al., 2016)、ミクログリアの突起動態がシナプスの可塑性に寄与することや全身炎症などに対し血液脳関門の透過性に関与すること (Haruwaka et al., 2019)、シナプス活動を修飾し、神経回路の同期性に寄与するメカニズム(Akiyoshi et al., 2018, Badimon et al., 2020)を明らかにしました。これらの生理機能が破綻する結果精神疾患などが引き起こされることを示唆(Wake et al., 2013)し、本領域の形成・発展に寄与してきました。また医工連携を構築することで2光子ホログラフィック顕微鏡の開発に成功し(Quan et al., 2018, Quan et al., 2022)、痛みを担う神経回路の形成基盤を明らかにしています(Okada et al., 2021)。また現在感覚情報処理の統合のメカニズム、とりわけ異種感覚間の可塑性に着目し、大脳皮質視覚野における視覚・触覚情報処理スイッチに関する回路メカニズムおよびミクログリアの関与 (Hashimoto et al, 2023)を明らかにしております。

主な経歴・受賞歴等Career, Awards, etc.

2001年
名古屋市立大学医学部医学科卒業
2007年
名古屋市立大学大学院医学研究科修了 (博士(医学))取得
2007年
生理学研究所CREST研究員
2009年
米国国立衛生研究所 Visiting Fellow
2012年
自然科学研究機構 基礎生物学研究所 助教
2013年
さきがけ研究員(兼任)
2014年
自然科学研究機構 生理学研究所 准教授
2016年
神戸大学大学院医学研究科 システム生理学分野 教授
2019年11月
名古屋大学大学院医学研究科 機能形態学講座 分子細胞学 教授
神戸大学 先端融合研究環 特命教授 (兼任・クロスアポイント)

2021年9月
名古屋大学大学院医学研究科 機能形態学講座 分子細胞学 教授
自然科学研究機構 生理学研究所 多細胞回路動態研究部門
教授  (兼任・クロスアポイント)
神戸大学 先端融合研究環 特命教授 (兼任・クロスアポイント)
2022年9月
名古屋大学大学院医学研究科 機能形態学講座 分子細胞学 教授
自然科学研究機構 生理学研究所 多細胞回路動態研究部門

教授  (兼任・クロスアポイント)
神戸大学 次世代光散乱イメージングセンター 特命教授 (兼任・クロスアポイント)

専門分野
神経科学、神経生理学
受賞歴

平成2012年
Fellows Award for Research Excellence in NIH
平成2014
文部科学大臣表彰 若手科学賞